お家にシロアリが発生してしまい、駆除を検討する際には、どれくらいの費用がかかるかどうか気になる方が多いのではないでしょうか。
シロアリ駆除にかかる費用は、さまざまな要素によって変わってきます。
今回は、シロアリ駆除の費用相場やかかる費用の内訳、費用を安く抑えるコツなど、シロアリ駆除の費用についてまとめていますので、ご検討中の方はぜひ参考にしてみてください。
シロアリ駆除の費用相場と安くするコツ4選!業者タイプ別の特徴もご紹介
ライター:ひらばやし
シロアリ駆除の費用相場まとめ
シロアリ駆除にかかる費用は、依頼した業者の形態などによって異なります。
一般的に「坪」単位または「平米(㎡)」単位で算出されることが多いです。
料金を決定する要素に影響するのは、施工や保証内容の違いです。
以下の表は、業者の形態ごとのおおよその料金相場です。
1坪あたりの料金 | 1㎡あたりの料金 | |
農協・ホームセンター・ハウスクリーニングなどの大手企業 | 10,000円~ | 3,000円~ |
中小工務店、個人事業者 | 2,500円~ | 1,000円~ |
シロアリ駆除専門業者 | 4,000円~ | 1,200円~ |
ハウスメーカー・リフォーム店 | 10,000円~ | 2,000円~ |
業者タイプ別の特徴
施工や保証内容の違いが料金を決定する要素に影響するとお話しましたが、業者の形態によってどのような違いがあるのでしょうか。
業者タイプ別の特徴について簡単にご紹介していきます。
農協・ホームセンター・ハウスクリーニングなどの大手企業
大手企業は会社にネームバリューがある分信頼感があり、安心して任せやすいです。
広告を出したり多くの営業所を構えたりなど事業規模が大きく、経営コスト(宣伝費や人件費)がかさむ分、料金設定は高めです。
実際の作業は契約している下請け会社が行うため、仕事の質にばらつきが出やすく、費用対効果は把握しにくいです。
中小工務店、個人事業者
中小企業や地域密着型の業者は、被害状況などに応じた個別見積もりが主流なので価格の幅は広いですが、小さな企業だと値下げ交渉に対応してくれることもあります。
ただし個人事業者は玉石混交で、工事品質が低い業者も中には存在するため、クオリティーと費用はトレードオフの関係にあるといえます。
シロアリ駆除専門業者
シロアリ駆除を専門としている会社のため、施工経験や知識も豊富で、取り扱う薬剤の種類や保証内容も充実しています。
全国展開している業者であれば、住んでいるエリア付近の営業所から担当者が対応してくれる仕組みになっている場合が多いです。
料金は一律に設定されているケースがほとんどなので、値下げ交渉は期待できませんが、追加料金の発生もなく安心です。
ハウスメーカー・リフォーム店
ハウスメーカーやリフォーム店でも、シロアリ駆除に対応している場合があります。
住まいの全体を修繕してくれるため、リフォームも同時に行いたい方や、修繕したい箇所が複数ある方などにおすすめです。
大規模で割高な工事になるため、あくまで駆除だけを依頼したい方や費用を抑えたい方にはあまり向いていません。
シロアリ駆除の費用が高い理由とは?
シロアリ駆除にかかる料金はけして安いものではありません。
高いお金がかかる理由は、床下での作業が過酷だからです。
狭く薄暗い床下をほふく前進で進みながらシロアリを1匹残らず発見・駆除し、さらに家を支えている基礎部分などに薬剤をムラなく大量に散布しなければなりません。
たとえ慣れている業者でも約3~6時間はかかる作業です。
長時間の過酷な作業を経てようやくシロアリ駆除が完了するため、高いお金がかかるのは当然のことなのです。
シロアリ駆除にかかる費用の内訳
シロアリ駆除にかかる費用の内訳は、主に下記の4つです。
- 駆除作業費
- ハツリ工事費
- 防腐・防カビ工事費
- 穿孔処理費
それぞれどのような費用なのか、簡単にご紹介していきます。
駆除作業費
駆除費用には、作業費・薬剤費・人件費・清掃費・養生費などが含まれています。
また、駆除が難しいシロアリもいるため、発生しているシロアリの種類によって費用が変わることもあります。
全国に分布しているヤマトシロアリは比較的割安ですが、イエシロアリは割高になりやすいです。
ハツリ工事費
ハツリ工事とは、床下がコンクリート基礎で仕切られて移動できない場合、コンクリートを削り取って通れるようにする作業のことです。
本来、基礎には人が通れるように穴があけられていますが、穴がなかったり穴が小さすぎて通れないケースがあります。
そのような場合に穴を広げたり、新しく穴をあけたりなどして薬剤を散布できるよう空間を作ります。
防腐・防カビ工事費
床下の木材などに腐食やカビが発生していて、防腐・防蟻工事を行う場合に必要な費用です。
通気性が悪く湿気の多い場所に、木材腐朽菌やカビが繁殖することで腐食やカビは発生します。そうして木材の腐敗が進んでしまうと、木材は構造的に不健全になり、地震発生時などに家屋倒壊の原因になるおそれもあります。
また、カビは触れたり吸い込んだりしてしまうと、アレルギー反応を引き起こす可能性もあるため、放置してしまうと非常に危険です。
穿孔処理費
穿孔(せんこう)処理とは、壁や床の木材やコンクリートに穴をあけて薬剤を注入することをいいます。
木材は、弱らせないよう穴をあけることが非常に難しいため、専門的な知識と多くの経験が必要な作業です。
シロアリ駆除費用を安くするコツ
シロアリ駆除の費用を少しでも安くしたい方のために、費用を抑える方法をいくつかご紹介します。
自治体の補助金を利用する
住んでいる地域によっては、「害虫駆除補助金」を利用できる場合があります。
害虫駆除補助金は、シロアリやゴキブリ、スズメバチ、ハエ、カメムシなどの害虫駆除に適用される制度です。
現在、補助金が下りる自治体は少ないですが、住んでいる地域が補助金制度に対応しているかどうか一度チェックしてみてください。
確定申告の還付を受ける
シロアリ駆除にかかった費用は、『雑損控除』として確定申告で所得税の還付を受けられる場合があります。
雑損控除とは、災害や盗難などにより財産を失った場合に受けることができる所得控除です。
シロアリ駆除も対象となっているため、申告すると修繕費の一部が返ってくる可能性があります。
駆除してから5年以内であれば申告が可能なので、業者に依頼した際の領収書などは大切に保管しておきましょう。
ただし、シロアリ「駆除」ではなく「予防」の費用は控除の対象外となるため注意が必要です。
自分でシロアリ駆除する
シロアリ駆除は業者に依頼すると30万円以上かかることもありますが、自力で駆除する場合は、駆除用の薬剤や散布用の機材、作業服一式など、全て揃えても5~10万円ほどに収まるでしょう。
ただし、シロアリが潜んでいる場所をすべて見極め、1匹残らず駆除することは素人には非常に難しいです。完全に駆除しきれていないと、さらに食害が進んで被害が大きくなるケースもあります。
また、狭く暗い床下での長時間作業は、慣れているプロでも非常に過酷で危険が伴うものです。
リスクを減らして完全な駆除を目指すなら、シロアリ駆除のプロに依頼することをおすすめします。
相見積もりをとる
シロアリ駆除の料金は業者によってかなり幅が広いため、見積もりに差が出やすいです。
そのため、いくつかの業者から見積もりをとり、比較してみることをおすすめします。
その際、料金の安さだけを重視するのではなく、信頼できる業者かどうかをしっかりと見極める必要があります。
シロアリが再発することのないよう、シロアリ駆除に対する知識や経験、実績の豊富な業者に依頼しましょう。
シロアリ駆除の費用に関するQ&A
シロアリ駆除の費用に関するよくある質問をまとめました。
シロアリ駆除費用は火災保険で賄えますか?
シロアリ駆除の費用は、ほとんどの場合火災保険が適用されません。
たとえ適用できたとしても、「雨漏りで家の木材が腐食し、そこにシロアリが住み着いて被害が発生した」ケースなど、状況が限定されることが多いです。
そのため、基本的には火災保険は適用されないと考えておいたほうが良いでしょう。
賃貸の場合、駆除費用は誰が払うのですか?
貸物件でシロアリ駆除を行う場合、基本的には、貸主(大家さん)が支払うケースが多いです。
建築基準法第8条にて、『建築物の所有者や管理者は、常時適法な状態に維持するように努めなければならない。』と定められているためです。
ただし、借主が持ち込んだ木材などからシロアリが発生した場合は、駆除費用を支払わなければならない可能性があります。
まとめ
シロアリ駆除はとても過酷な作業であるため、どうしても料金が高額になりがちです。
工夫次第では安くできる可能性があるため、費用を少しでも抑えたい方はぜひ参考にしてみてください。
もちろん安さも大切ですが、信頼できる優良業者を選ぶことも重要ですので、相見積もりをとって比較するなどしてしっかりと検討しましょう。
最後までご覧いただきありがとうございました。
この記事を書いた人
ライター:ひらばやし
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